• HOME
  • MAGAZINE
  • NEWS
  • MARKET
  • メガギャラリー デイヴィッド・ツヴィルナーが奈良美智の取り…
2025.11.4

メガギャラリー デイヴィッド・ツヴィルナーが奈良美智の取り扱いを開始

メガギャラリーのデイヴィッド・ツヴィルナーが、奈良美智の取り扱いを開始した。

奈良美智 Midnight Tears 2023 © Yoshitomo Nara Collection of the Guggenheim Museum Bilbao

 国際的に大きな影響力を持つメガギャラリー デイヴィッド・ツヴィルナーが、奈良美智の取り扱いを開始した。

 同ギャラリー代表のデイヴィッド・ツヴィルナーは、奈良について次のようなコメントを寄せている。「1990年代初頭、故郷のケルンで初めてその作品に出会って以来、私は彼の作品のファンである。当時、奈良の作品は私にとって非常に革新的だった。私にとって奈良の作品は、素晴らしい歌に似ている。個人的で、感情的で、妥協を知らず、実験に開かれている。今年初め、ロンドンのヘイワード・ギャラリーで開催された奈良の膨大で美しく展示された回顧展は、まさに啓示だった。改めて、アーティストとしての奈良の驚くべき寛大さに感銘を受けた。彼は私たちを自らの内なる宇宙へ容易に招き入れつつ、同時に私たち自身と向き合うよう挑み、抵抗する権利があることを思い出させてくれる。現代文化においてもっとも重要かつ本物の声のひとつである奈良美智を当ギャラリーに迎えられることを、深く光栄に思う」(プレスリリースより抜粋、原文は英語)。

 いっぽう奈良は今回の取り扱いについて、以下のようにコメントを寄せている。「私の作品は他者に向けられたものでもなければ、他者を描いたものでもない。自画像のように、それらは私自身との対話から生まれる──画面に横たわる子供や動物の姿をとった、ありのままの自己との対話だ。その意味で、私の作品の前に立つ鑑賞者もまた、そこに自分自身を見出し、自らの内なる自己との対話に没入するのだと信じている。いま、私は幸運にも、生まれ育った場所は違えど、同じ世代であり、私たちが共に生きてきた時代の精神──そのサブカルチャーも含めて──を共有するギャラリストのもとで作品を発表できる。この幸運は、これまで私をここまで導いてくれた幾重もの幸運の上に成り立っていることも自覚している」(同上)。

 同ギャラリーは、ニューヨークのスペースで奈良の作品を展示する展覧会を近日開催予定だという。またこれまで奈良の作品を扱ってきた同じくメガギャラリーのPaceは、引き続き奈良との関係を継続させる。

 なおデイヴィッド・ツヴィルナーは今年、アーティスト・西村有の取り扱いも開始している